ファンコミプラスTOP > イベント > マイクロアドが考える新しい広告の世界とは?(1/3)

マイクロアドが考える新しい広告の世界とは?(1/3)

1 2 3

fanevent20160726_1

株式会社マイクロアド
代表取締役
渡辺 健太郎氏

1974年宮城県出身。 1999年に(株)サイバーエージェントへ入社する。同年に大阪支社を立ち上げ、支社長に就任。2005年から「Ameba」開始に伴い、事業責任者となった。2006年のサイバーエージェント取締役就任を経て、2007年に(株)マイクロアドを設立。2011年、日本でRTB配信が可能なDSP 「MicroAd BLADE」の提供を開始し、主要なアドエクスチェンジやSSPを統合。2008年の香港現地法人を皮切りに、現在までにアジア12か国で事業を展開。日本国内とアジア太平洋全域で、12,000社以上の広告主に支持される。

マイクロアドと多次元データベースの未来

目指しているのはオフラインデータとのシンク

マイクロアドは、いわゆるアドテクノロジーの会社です。もともとはサイバーエージェントの社内ベンチャーとして立ち上がり、2007年に分社化しました。2008年より海外展開に力を入れており、現在はアジア12ヶ国に現地法人があります。社員数は国内外合わせて500名ほどですが、半分以上のおよそ300名が海外法人に勤務しているという形です。これまでずっとWebの世界を中心に事業展開してきましたが、最近ではCCCマーケティング株式会社やソフトバンク株式会社と業務提携をするなど、「リアルの領域」にも注力しています。

中心となるプロダクトは、「MicroAd BLADE」というDSPと「MicroAd COMPASS」というSSPの2つ。つまり、広告主サイドとメディアサイドのプラットフォームを両方持っているということです。以前はリターゲティングを中心に展開していましたが、現在はそこを拡張してオーディエンスターゲティングをしています。迅速な広告取引を実現する「リアルタイムビッディング(RTB)」をベースにしているのが特徴です。世の中にはいろいろなWebサイトがあり、インターネット上をさまざまなユーザーが回遊しています。そこで得られる膨大なデータを、ユーザーの趣味や嗜好ごとにカテゴライズしています。

現在、マイクロアドには4億ユニークブラウザのデータがあります。これをデータマイニングし、6500万人のWeb閲覧データとしてターゲティングに活用しているわけです。また、前述のとおり、オフラインデータを持っている会社との提携も進んでおり、6000万人弱の購買データも広告配信時に活用することが可能です。アドテクはインターネット領域のシステムですが、現在ではオフラインもシンク(同期)させ、より詳細なターゲティングができるようになっています。

本当のユーザー像を捉えられているのか?

これからどういったところに注力していくか、という文脈でお話をしたいと思います。今後マイクロアドが世に打ち出す新しいプロジェクトに、多次元データベース「UNIVERSE(ユニバース)」というものがあります。「群盲象を評す」というインドの寓話――何人かの盲人がそれぞれ象の一部だけを触って感想を語り合うものの、話がまとまらず喧嘩になる――をご存知の方もいると思いますが、「木を見て森を見ず」というか、ある一部分だけを見ていても本当の実態は分からない、ということがデータマイニングにおいてもあると思うのです。

寓話の中の“象”は、私たちにとっての“ユーザー”です。“象=ユーザー”の正体を突き止めるのがターゲティングであり、それが私たちの目指すところなのですが、1つのWebデータだけを大量に集めてそれをビックデータと言っても、実はもしかすると、これは象の鼻を触って「これは木の枝なんじゃないか」と言っているのと同じなのではないか、と思っていました。

例えば、「自動車系のWebサイトやWebコンテンツを見ている人は車に関心がある」というのが今までの考え方でしたが、あるユーザーはそもそも免許を持っていないかもしれませんし、その車を買う経済力がないかもしれない。ランボルギーニに興味がある人と軽自動車に興味がある人を、同じカテゴリーでくくることに意味はあるのか。つまり、本当のユーザー像を捉えられていないのではないか?ということです。

「UNIVERSE」は、オフライン・オンラインを含めた膨大なデータを1つのIDで横串に刺して統合するデータベースです。このデータベースはおそらく永遠に完成することはなく、世にあるデータをどんどん吸収して膨張していく宇宙のようなデータベースにしたいという想いを込めて、「UNIVERSE」と名付けました。

データマイニングで、未来も予測できるようになる

例えば、広告主から「フランス旅行をマーケティングしたい」といった要望を受けたとします。従来なら「旅行好き」「ヨーロッパに興味がある」といったカテゴリーの中に「フランスに行きたい人がいるんじゃないか」という仮説を考えますよね。ですが、「UNIVERSE」を使えば、結果・事実からプランニングをしていくという流れに変わります。Webの行動履歴を分析するだけでなく、購買データやジオデータなどから横断的に解析することで、仮説ではなく結果・事実ベースのアプローチができるというわけです。

例えば、「オペラのチケットを買っている」「語学教室に通っている」といった情報が分かれば、「旅行好き」「ヨーロッパ好き」みたいな曖昧な話ではなく、オペラが好きな人に対して「フランスでオペラを観ませんか?」という提案ができたり、フランス語に興味がある方に「フランス留学をしませんか?」という提案ができたりするわけです。これが、私たちが考える「UNIVERSE」です。データが増えれば増えるほどいろんなことができるようになると思いますし、データマイニングには時間軸という方法もあるので、いずれは未来も予測できるようになると考えています。

次のページへマイクロアドが考える新しい広告の世界とは?(2/3)

1 2 3