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【NextStep研修】シリコンバレーで最先端の技術と街を肌で感じてきました!

こんにちは。
今日の広報ブログは、EC担当者向けに役立つ情報をお届けしている「nex8ブログ」のメンバーがお届けします!(もちろんいつもの味わい深いイラスト付き)

 


こんにちは。nex8事業部の恩田です。
先日、ファンコミュニケーションズの新卒3年目と若手メンバーを対象とした海外研修「NextStep研修(略称:ネクステ)」が行われ、私はそのプログラムに参加してきました。
実施の目的としては、アドテクノロジーの最先端である米国市場(シリコンバレー)の視察をし、業界の進化やイノベーションの状況を理解するというものです。

そこで今日は、シリコンバレーにおける現在の取り組みや日本市場の展望について、私自身が見てきて感じたことをまとめようと思います。

シリコンバレーとは

シリコンバレーとはアメリカ合衆国カリフォルニア州北部のサンフランシスコ・ベイエリアの南部に位置している地域の総称です。
下記のマップがわかりやすいかと思います。

シリコンバレーの「シリコン」とは半導体によく使われる「ケイ素」のことで、この地域がもともと半導体メーカーやソフトウェア企業が多く集まっている盆地であったことから、この名前が付けられたとされています。

またシリコンバレーには下記のようなIT有名企業の活動拠点も多くあります。

まず簡単にシリコンバレーの歴史を簡単に振り返ってみましょう。

  • 1930年~1950年 ヒューレット・パッカード創業 スタンフォード大学の企業支援や軍事特需により発展
  • 1939年にヒューレッド・パッカード創業。
    1950年ころにスタンフォード大学が、大学の敷地内に建設した企業への研究支援施設、スタンフォード・インダストリアル・パーク(現在のスタンフォード・リサーチ・パーク)にGEやロッキードなど様々な企業が進出、また当時の軍需産業に関係する企業も集まりました。

  • 1976年 Apple創業 パーソナルコンピューター発売
  • 1970年代には半導体産業が栄えはじめ、この頃からシリコンバレーと呼ばれるようになります。
    1976年にはApple社が創業、「Apple Ⅰ」というパーソナルコンピューターを販売し、大ヒットしたことにより、ますますシリコンバレーの注目度は高まっていきました。

  • Yahoo!とGoogle創業 検索ポータルサイトの始まり
  • PC産業が発展していく中で、徐々にソフトウェア需要や開発意識が高まってきます。
    また1995年には現在のインターネットに欠かせない検索ポータルサイトのYahoo!が、1998年にはGoogleが創業しています。

  • 2000年代 Twitter Instagram創業 SNS時代到来
  • インターネットやスマートフォンが普及していくことで、続々とSNSサービスがシリコンバレーで興っていきます。
    2006年にTwitter、2010年にInstagramが創業しています。

このようにシリコンバレーでは、今では誰もが知っている数多くのサービスや企業が誕生しているのですね。

肌で感じた米国(シリコンバレー)と日本の違い

なぜシリコンバレーに投資家・スタートアップが集まるのか

では、大手IT企業からスタートアップまで現在もこぞってシリコンバレーに集まる理由とは何でしょうか?

スタートアップとは簡単に言うと、新たなビジネスモデルの開発と高い成長率をもった組織のことを言います。
単純に創業してからの年数が短い企業というだけでは、中小企業やベンチャー企業と呼ばれますね。
現在のシリコンバレーにはスタートアップから見て、事業を成功させる「ヒト」「モノ」「カネ」の仕組みが揃っています。

「ヒト」は事業成功のアドバイスをしてくれるメンターやエンジニア、「カネ」はスタートアップに投資をしてくれる投資家、「モノ」はコワーキングスペースやスタートアップに特化している税理士・会計士などを指します。

アイデアや新しいビジネスモデルはあるが、発展させるのが困難なスタートアップが、「ここに来ればなんとかなる」と考えたり、一攫千金を狙ったりして、集まります。
スタートアップが集まってくれば、さらに投資家も集まり、コワーキングスペースも増えていきます。
このようにスタートアップとシリコンバレーの「ヒト」「カネ」「モノ」の間には相乗効果が生まれ、規模も拡大をし続けているということです。

日本でスタートアップやベンチャー企業が生まれにくい理由

ここで日本のスタートアップやベンチャー企業に対する投資実態について考えてみます。
2015年の結果ではあるのですが、ベンチャー投資額がアメリカは約7兆円、中国は約3兆円なのに対し、日本は1300億円に留まっています。
また投資件数と1社あたりの投資額についても日本は少なく、2か国に比べるとあまり積極的であるとは言えない状況です。

数字の差もさることながら、アメリカが日本と大きく違うのは「新しいビジネスへの挑戦に対するハードルの低さ」だと実感しました。
研修では企業の方を含め現地の様々な方とお話しすることができましたが、日本とアメリカで大きな能力の差や、アイデア自体も見たことないような真新しいものだ、と感じることはそれほどありませんでした。

大きく異なったのは、それでも彼らは自信満々にプレゼンテーションを行い、実際に多額の投資を得ていたことです。
既に挑戦している人が周りにいることで限りなく挑戦へのハードルが低く、成功例が多いため、自分が成功しているビジョンが描きやすい、またそんな人達への支援体制が整っているから投資額もこれほどに違う、そんな地域なのだと肌で感じることが出来ました。

印象に残った企業2社(Plug and Play、Google)

企業と人をつなぐ「Plug and Play」

Plug and Playはアクセラレーター(加速器)と呼ばれる、スタートアップの成長を加速させる役割を担っています。
主な事業内容としては、メンターセッション、マーケティング、ベンチャーキャピタルや投資家の紹介、プレゼンテーション練習など、数か月スパンでスタートアップを教育するプログラムを提供しています。

シリコンバレーではメンターや投資家が地域で揃っていると書きましたが、Plug and Playではこの3つが1社で揃っています。

直近で日本支社ができ、公式サイトでは自らを「日本を変えるベンチャーエコシステム」と名乗っています。
シリコンバレーでは地域全体がベンチャーを発展させるエコシステムとなっていましたが、まだまだそのような環境が整うには時間がかかりそうな日本にPlug and Playのような企業が来ることは、スタートアップにとってプラスに作用していくかもしれません。

世界中の情報を整理する「Google」

今回のネクステでは、なるべく日本国内では会うことの出来ない企業を中心に訪問しましたが、ITの巨人・Google本社も訪れました。
Googleでは全体の方向性として、直近で発売されたスマートスピーカーの「Google Home」に力を入れていくという話が聞けました。

スマートスピーカーは大手IT企業が続々と参入しており、「Amazon Echo」やAppleの「HomePod」、日本企業ではLineの「Clova wave」などがあります。
このようにライバルが多い中、Googleが率先して参入していくのは、「FacebookなどのSNSに個人情報取得の戦いに敗れた苦い経験があるからではないか」、と話を聞いているうちに感じました。

というのも、Googleの担当者が強調していたのは、「収益ではなくユーザーに対し、いかに有益な広告を提供できるか」ということです。
有益な広告を出すためには、広告を出す人に対し、「何に興味があるか」、「何を今知りたいか」を把握することは非常に重要です。
自分に全く関係のない広告や興味のない広告が出たら嫌ですもんね。

Facebook広告は、年齢や性別などFacebookが独自に取得できる情報を組み合わせて、「ユーザーに合った広告を出す」ことができます。
狙ったユーザーへの配信が可能で費用対効果も良く、多くの企業が実施しています。
費用対効果が良いという事は、ユーザーにとっても有益な情報を提供できているからこそ、クリックやコンバージョンといったアクションにつながっていると考えられます。

Googleの収益の大半は企業からの広告出稿費になるので、このままでは企業がGoogleに支払っていた広告出稿費がFacebookに流れ、やりたかった「有益な広告の提供」をライバル企業にやられてしまう可能性があります。
そんなSNSとの戦いが劣勢な中、スマートスピーカーでユーザー情報を取得し、「ユーザーに有益な広告を出す」ことを実現しようとしているのではないかと感じました。

ただ一方で、「広告の精度とプライバシー保護のバランス」も非常に難しい問題です。
情報を取得した結果、広告の精度が高すぎてしまうと、プライバシー保護の観点からユーザーが不安に感じる可能性もあります。
ただそういった精度の高い広告を「よくぞ出してくれた」と思うユーザーもいるでしょう。

ユーザー1人1人によって出された広告の印象が変わる中、Googleはどう広告の精度を高めていくのか、という部分に要注目ですね。

さいごに

研修に行ってみて大きく感じたのは、能力の差というよりも挑戦する人間、挑戦を後押しする人間が、圧倒的にアメリカの方が多いということ。
日本だから仕方ないなと終わらせず、またアメリカを真似するというわけでもなく、自分にできることをコツコツと積み上げていくしかない、と改めて実感することができた研修でした。

 


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それではまた。