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アフィリエイト広告の縁の下の力持ち。imgタグ方式のお話

こんにちは!

本日は、前回予告した、A8.netの最初のターニングポイントにもなったトラッキング技術、imgタグ方式導入のエピソードについて副社長のインタビューをお届けします。

アフィリエイト広告のキモ“トラッキング”

2000年の初頭からA8の本格的な開発が始まったのですが、一から作るわけですから、すべて想像力と試行錯誤の世界でしたね。

アフィリエイト広告とそれまでの他のネット広告手法の違いは何かと言えば、広告の“成果”を測定する必要があるということです。そのためには、その成果の発生場所である広告主サイトに捕捉(トラッキング)する仕組みを持たせなくてはなりません。
具体的には、広告主サイト内での注文処理などの際、動的に成果情報を捕獲し、我々の用意している成果捕捉サーバーへ送るのです。

アフィリエイト成果捕捉の流れ

それを実現するのが、我々が開発したトラッキングシステムである「A8Track」でした。
完成したのが2000年の春頃。
ただし、開発はしたものの同時にこの仕組みの弱点にも気が付いていました。

■広告主側負荷の高かった、当初のトラッキングシステム

それは、この「A8Track」がソフトウェアであり、広告主サイトにインストールする必要があるということです。
中のソースコードを確認できない広告主は、どこの馬の骨ともわからないブラックボックスなソフトウェアを、自社サーバーの中に常駐させることになります。これはとても気持ちの悪いものです。仮に私がスノーデン氏なら大変なことになりますよ、情報ダダ漏れ状態です(笑)。
出来たばかりの、お金も信用もないベンチャー企業のそんなソフトウェアを、誰が決済部分の一番重要な場所に喜んでインストールしてくれるでしょうか?
私がEC責任者なら絶対嫌ですね。

さらにもう一つ、気になる部分がありました。
それは、成果情報送付のバッチ処理です。広告主側にインストールされた「A8Track」から我々のサーバーに、1日に何回かに分けて成果情報を送ってもらうのですが、リアルタイム性がないんですね。つまり成果がうまく上がっているのかどうか、即座にわからない。
もちろん、設定によって、リアルタイムで送付してもらうことも可能ですが、また広告主側の負担が大きくなります。
我々のようなASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)は、メディアと広告主の間の第三者機関のような立ち位置であるのに、リアルタイムで成果発生の現場に立ち会えていないわけです。我々の存在価値が薄れるんですね。

発想の転換から生まれた、古くて新しい仕組み

そこでどかーんと浮上したアイデアが、imgタグ方式のトラッキングでした。
imgタグは、もともとページビュー測定やHTMLメールの開封確認などに利用されていた、当時から普通の仕組みでした。測定したいページにimgタグを貼り付けるだけですから、実施するのが非常に簡単なんですね。

アクセスカウンターの仕組み

 

 

imgタグ方式の仕組み

しかし、まさかこれを大切な「成果の捕捉」に使うというのは、当時の日本のネットビジネス界では、何だか軽すぎて申し訳ないというか、皆そんなことを考えないようにしていたのではないでしょうかね。日本人は超生真面目なところがありますから。
「専用のトラッキングソフトウェアを開発して、それを広告主サイトにインストールして成果を確実に捕捉する」という方が、ちゃんとしたASPらしい感じはしますしね(笑)。

その時、ハ○が飛んだ。

この広告主側の成果捕捉ページにimgタグを貼り付けるやり方により、成果が発生する(成果捕捉ページが表示される)たびにCookieの解読を行う処理が可能になりました。

A8Fly成果捕捉の流れ

<参考>Cookieを用いたトラッキング
ブラウザのCookieを用いたトラッキングは、A8.net・Moba8.netだけでなく、ネット広告全般で主流となっている仕組みです。アフィリエイト成果のトラッキングの場合は、広告をクリックしたタイミングでCookieを発行しておき、ユーザーが広告主ページの成果地点となるページ(会員登録完了や購入完了のページ)に辿り着いた時に該当のCookieを保持していたらコンバージョンとなります。

確かにCookieというのは100%安定した仕組みではありません。でも、何やかんや言っても、CookieがなければEコマースの進展は10年は遅れていたと思います。
Cookieなしで厳密にやろうとすれば、どれだけの負担がメディアと広告主、そして我々にかかったことでしょう(ありがとう、クッキー様)。

ということで、私たちは「現実的な解」として、メディア・広告主・ASPの3者がもっともハッピーな道を選んだのです。
加えて、Cookieがない場合でも出来る限り捕捉できる工夫も凝らしましたし、リアルタイムで送られてくる大切な成果情報を確実に受信するために、それこそASPの威信を賭けて、絶対落ちない(※少なくとも気持ち的に)サーバー体制を用意しました。

結果として、

①専用ソフトウェアをインストールすることなく、
②リアルタイムで成果情報を当社に送信できる

という、ASPの役割をより明確に果たせる、そんな仕組みを誕生させることが出来ました。
それが現在もご利用いただいている「A8Fly(エーハチフライ)」です。

目論見は大成功。
2000年から2001年頃までは、専用ソフトウェアインストール方式が全盛だったのですが、このA8Flyの手軽さが広まるにつれて、あっという間にこのimgタグ方式が業界標準になりました。
A8.netが利用広告主数で業界1位になったのもこの頃です。

──ハチじゃなくて当初はハエが成果を捉えてたんですね。貴重なお話をありがとうございました。

・・「ハエ」のflyじゃなくて、「飛ぶ」!A8の成果情報を軽々と飛ばす、という意味ね。A8が、まさに飛んだ瞬間です。